ライナスの百合

「私がいないとダメね」
「貴女がいたいとダメ」

聖サンクチュアリ高等学校。
中高一貫の女子高に、転校生が入学した。それから、すぐに転校生はいじめられた。決して中高一貫で馴染めなかったからでも、排斥しそうとした訳では無い。ただ彼女が、"男と交際経験がある"為だ。

この女子高は異性との不適切な接触を悪としており、その中でも交際は重罪。そして、性行為は最上位の悪だと教授されてきていた。

「大丈夫?」

いたたまれなく転校生の彼女に声を掛けてから、私の恋は息をした。私がいないとダメな彼女、私を必要としてくれる彼女、孤独で可哀想な彼女が、酷く愛おしかったの。